シェン・イエンフェイvs金璟娥 ジャパンオープン2012
「金璟娥がここ数年の内に完敗した試合の動画」とのリクエストがありましたので。今年のジャパンオープン女子シングルス決勝、シェン・イエンフェイ(沈燕飛/スペイン)vs金璟娥(韓国)の動画です。
しかしあれですね、2010年の中国vs世界選抜・劉詩ウェン戦など金キョン娥がストレートで敗れた試合は片手で数えられるくらいにはありますが、「完敗」といえるほどボコボコにのされた試合は記憶にないですね。ストレートで破れる場合でも、かなり点差は競った僅差での敗退をしています。恐ろしいほどの安定感ですね。
相手のシェン・イエンフェイは、中国からの帰化選手。フォア面表ソフトの前陣攻守型で、王楠や李菊と同世代のベテラン選手です。北京オリンピック女子団体日本戦で福原・福岡から2点取りをしたのを覚えている方も多いでしょうが、その後出産のため一度戦線を離れています。
そして2010年にカムバックすると、韓国オープン優勝、中国オープン3位と、現役中国国家代表を含むトップランカーたちを次々と沈め、世界のトップ選手に。ここ半年でも非中国の世界ランク上から10人を全員倒しているところをみても、ロンドン五輪の隠れたメダル候補と言えるでしょう。
この試合では、表ソフトらしい小さなモーションのスマッシュ系の強打と、激しい前後左右への揺さぶりで金璟娥を崩しています。何と言うか・・・超絶に「巧い」ですね。一昨年のジャパンオープン準決勝での王越古戦もそうでしたが、金キョン娥にはスマッシュ系の水平打法でカット打ちができる選手が有利なのかと思います。まあ、そんな選手は世界にもあまりいませんがorz。
最近のツアーでの結果を見ても、まだ世界トップレベルのカットマンには非常に分が悪い、我らが日本女子代表。この試合を見て解決の糸口は・・・戦型が違いすぎて、つかめないですかね^^。
Japan Open 2012, Women’s Singles Final
Shen Yanfei (ESP) vs. Kim Kyungah (KOR)
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2012年7月1日
コメント
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コメント (3)
管理人さま
リクエストにお応えいただきありがとうございます。やっぱり金璟娥は負けてもタフですね。
スマッシュでのカット打ちは確かに有効なようですね。サイドをノータッチで抜く場面も多いですし、拾われたとしても返球が浅くなりがちなので更にスマッシュのチャンスが生まれます。
そうなると問題は、互いにサービス・レシーブに慣れて容易にスマッシュなど打てなくなる中盤以降の打開策です。並の攻撃選手なら序盤の展開を引きずって一か八かの強打を乱発して自滅するところを、ションは平然とツッツキ合い・ループ対カットのラリーに付き合ってしまいました。
本職のカットマンが焦れるくらいの精度の高さと、長短・コース・緩急の変化で確実にチャンスを引きだすだけの技術の幅がションの戦術を支えています。
男子のトップ選手の「その球をパワードライブするか」というような身も蓋も無いまでの圧倒的なカット打ちとは、違った面白みがある試合でした。
非常に素晴らしい試合ですね。
シェンのプレーを見ていると、
元中国代表の高順を思い出されます。
あれほど巧みなカット攻略を見ると、
極端な話カット打ちに強打は要らないと
言われているように思えてきますね。
なんなの最後のラリー